Masakazu Yoshida

Awarenessを高めること

2015-01-08 14:00

ある問題について継続的に考えを深める必要があるとき、awarenessを高めることはとても重要だ。

日本語に適当な言葉がないので、英語のawarenessという語を使うが、これは、「あるモノやコトが(好むと好まざるとにかかわらず)気になる、意識されてしまう状態」を指していると理解して欲しい。たとえば、友達と喧嘩をしたとしよう。その友達を見かけたり、すれ違ったりするたびに、喧嘩のことが思い出されるだろう。また「どうやって仲直りしたらいいか」などと考えるきっかけになるかもしれない。それが、ここでいうawarenessである。

なぜ、awarenessを高めることが重要なのか。

それは、人間の意識はうつろいやすく、多くのことを同時に継続して処理することはできないからだ。たとえそれが大切なことであったとしても、差し迫った状況に追い込まれない限り、日常の雑事にかまけて、いつしか忘れてしまうものだ。

だから、長期的にみて重要性が高く、継続して考えつづける必要がある事項について、awarenessを高めるような工夫が必要になる。Awarenessは、心に刺さった棘のようなものとして働き、意識を自然とそこに向わせる。

たとえば、若い友人の逝去は、人生の問題についてのとても強力なawarenessを与えるだろう。そのような事実に触れるとき、私は、来し方を振り返って、情けないような、いたたまれないような感情に支配される。同時に、これからの残り時間の使い方や優先順位についても思いを巡らす。

私は、身近にあるモノをおいて、ときどき亡くなった友人のことを思い出すようにしている。もちろん、「よりよく生きるとは」という問題についてのawarenessを高めるために。