Masakazu Yoshida

映画の日本語字幕がうるさく感じる

2015-01-16 14:00

劇場で英語の映画を見るときは、字幕版を見るようにしています。見ていていつも思うのですが、できることなら、日本語字幕をやめて、英語の音声だけにして欲しいです。

なぜなら、母語が日本語で英語が外国語である人間にとって、日本語字幕は、英語で映画を楽しむときの障害になるからです。

まず、「言語モード」の切り換えの問題があります。

英語で映画をみているときは、脳は、「英語モード」で動いています。にもかかわらず、目に飛び込んでくる日本語字幕は、脳を「日本語モード」にオーバーライドしようとします。その結果、頭の中で、英語と日本語の間のスイッチングが頻繁に引き起こされるので、映画の内容に集中することが難しくなり、とてもイライラします。

次に、音声と字幕で、情報提示の順序が逆転することも問題です。

英語音声と日本語字幕とでは、情報提示の順序が逆転するので、脳内の不協和は更に高まります。これは、英語と日本語の語順の違いによるものです。英語では「大事なこと→瑣末なこと」の順序ですが、日本語字幕では、逆に「瑣末なこと→大事なこと」の順序になります。これも脳の情報処理の負荷を高める原因になります。

最後に、字幕は、あくまでも妥協の産物であるという問題です。

英語の音声を聞いて、日本語字幕を見ると、「それは違うだろ!」という違和感が、頭の中でグルグル回り始めます。字幕には厳しい字数の制限があり、翻訳も観客のリテラシーを前提にできないため、日本語字幕は、いきおい「超訳」のようなものにならざるをえません。無視すればいいのですが、どうしても見えてしまうので、やはり気になります。

まとめると、劇場で字幕付きの映画を見るのはストレスフルな体験だということです。もし字幕を付けるのであれば、英語の字幕をつけてもらえるとうれしいですね。それなら、上のような問題はないですし、中級の英語学習者にとっても朗報ではないかと思います。