Masakazu Yoshida

もし包丁を一本だけ持つなら

2015-01-26 08:00

もし包丁を一本だけ持つとしたら、私なら、ある程度の値段のしっかりしたステンレスの三徳包丁を買います。理由は、次のとおりです。

まず、一本しか包丁がないとしたら、日々の料理に幅広く使える三徳包丁が便利です。家庭用として売られている包丁は、ほとんど、この形をしています。「三徳」というのは、和包丁(菜切り包丁)と洋包丁(牛刀)を兼ねるという意味だと思いますが、とりあえず、どんな用途にも使える汎用性があります。

次に、材質は、ステンレスがいいと思います。刃がすべて鋼のものは錆びやすいので不適です。ステンレスに硬い鋼をサンドイッチした構造の、三枚打ちや割り込み包丁でもいいのですが、高価になりますし、ここは、あえてステンレス製で厚めでしっかりした包丁を選びます。

たしかに、硬い鋼を挟んである包丁の方が、鋭い刃をつけることができ、切れ味も長持ちするのですが、反面、ラフに扱うと刃が欠ける恐れがあります。かたい皮の南瓜を切ったりすることや、包丁の腹でにんにくをつぶしたりということも考えると、少し肉厚のステンレス包丁が、総合的にみて使いやすいと思います。きちんと研げば、ステンレス包丁でも驚くほど切れる刃をつけることができます。

包丁の柄は、和包丁のような差し込み式ではなく、刃が柄の後まで貫通して鋲止めになっているものを選びます。ある程度の値段以上の三徳包丁は、このタイプの柄になっているものが多いです。(全ステンレスのものは除きます)。

家庭用として使うのならば、中級クラスの包丁で十分です。普通に考えて、「ちょっと高いなあ」と思うぐらいの値段のものであれば、そう大きな間違いはありません。そのクラスのものを買えば、10年ぐらいは余裕で使えます。

包丁を買うときは、実際に手にとってみて、しっくりくるもの、バランスがいいもの、重すぎず、軽過ぎないものを選びたいですね。実際に包丁を何本も手にとって見ると、加工や仕上の良し悪し、材質の違いがよくわかります。

最後に、包丁は、こまめに研ぐことが必要です。中砥石を一本買って、自分で研げるように練習すれば満点でしょう。