Masakazu Yoshida

Endurance号の驚異の航海記

2015-05-19 12:00

「Endurance: Shackleton's Incredible Voyage」(Author: Alfred Lansing, Narrator: Simon Prebble)のオーディオブックを聞き終る。高校生の頃に日本語訳を読んだのだが、今回は英語で。最後のエピローグの章では、すばらしい映画のラストシンーンを見ているかのように、言葉が直接映像となって脳に流れ込んできた。

この物語は、1914年8月9日に英国の極地探検家アーネスト・シャックルトンがエンデュアランス号で南極大陸横断を目指してポーツマスを出港するところから始まる。

著者のLansingは筆致はとても淡々したもので、事実それのみを力強い言葉で積み重ねていく。そこが逆に、シャックルトンと隊員のおかれた状況の苛酷さを語るためのスタイルとして成功していると思う。人によっては単調で退屈なものに感じるかもしれないが。

もしこの本を読んだことがなくノンフィクションがお嫌いでなければ、強くお勧めしたい。たぶん、お近くの図書館には日本語訳の蔵書があると思う。

(写真は、Wikipedia「Imperial Trans-Antarctic Expedition」の項から引用した。)